このところトレッキングにはご無沙汰していたので、今回の栗駒山は楽しみにしていました。8日金曜日の授業を終えても東京には戻らず、連休のなか日の10日にはAIU(国際教養大学)の学園祭を見物し、翌11日の「体育の日」には早朝から栗駒山を目指しました。その日は天気予報でも、3連休で唯一の紅葉狩りに最適な「晴れ日」だったはずなのに、栗駒の周辺は深い霧が立ち込め、5,6m先もよく見えないような天候。とても紅葉を愛でるどころではありません。それに登山口のある栗駒山荘周辺では、駐車場を探す車列があちこちに出来ていて、大変な混みよう。登っても何も見えないだろうし、あっさりとトレッキングは諦め、近くの小安峡やダリア園などを軽く回った後、温泉宿でゆっくりと疲れを取ることにしました。
湯沢市の「世界ダリア園」では世界各国の様々な色や形のダリアが満開に咲き、なかなか見ごたえのある光景でした。ダリア園は例年8月から10月まで開園しているのですが、今年の夏は異常な暑さが続いたために8月に入ってもダリアが咲き始めず、それを知らずに来てしまったお客様には再入園のスタンプを発行するなど、ここでも異常な夏の影響があったよう。今は大きさも形も色とりどりで咲き誇り、一輪の花として見ても形の美しさや色の鮮やかさは見事です。中でも私が感銘を受けたうす紫のグラデーションが美しいダリアは、偶然にも「メロディ・ハーモニー」という命名をされたオランダ種でした。写真を載せておきます。
翌日12日は朝から曇っていましたが、もしかしたら山の上は昨日よりも良い天気かもしれないと思い、一緒に行ったお仲間とも相談の上、もう一度栗駒の紅葉に賭けてみることにしました。向かう途中の秋の宮から泥湯の間の山々を抜ける車道では、所々に美しい紅葉が見られ、遠くの山々も群青色のグラデーションの幻想的な影を幾重にも見せていて、広大な景色を堪能しました。途中車を降りて木々の紅葉を映したものを、添付します。
肝心の栗駒山は、今度は霧も無く、頂上を目指す中間地点の「昭和池」まで登って引き返しました。登山道は連日の雨続きでかなりぬかるんでいました。私は登山靴を履いていたのでそれほどの困難もありませんでしたが、普通の防水機能のないスニーカーや、中にはサンダルで歩いている人までいて驚きました。それほど難しい山でなくても、しっかりした登山靴を履いていくと泥濘や小さな沢も気にせず安心して歩けるので疲れません。連休は明けても、相変わらず大勢の登山客が犇めいている状態でしたが、イモ洗いのようになりながらも栗駒山荘の眺めの良い露天風呂に入り、気持ちの良い風と乳白色の温かいお湯で疲れを流して、すっかり満足して帰ってきました。(明日はまた講義です!)
ところで、2年前の岩手・宮城内陸地震直後の10月に栗駒に初めて登った時には、登山口に至る車道にも所々滑落が見られたり、大きなひびが道路を横断していたりと、地震の揺れの大きさや恐ろしさを目の当たりにしましたが、今回は道路の整備もほとんど完了し、岩手や宮城方面からも登山ができるようになっていました。