この10日間ほど、ニューヨークのアート・シーンを満喫しています。先日新しく始めたFacebookページ http://www.facebook.com/reikowatanabevn にて軽くご紹介しましたが、NYの夏のモーストリー・モーツアルト・フェスティヴァルにおいて、今年から現代アートも取り入れた新しい試みが開始され、大きな成功を収めています。今回のフェスティヴァルの副題は「鳥」。12日に開かれたパネル・ディスカッション"The Music of Birds"や、現代作品を積極的に紹介するアンサンブルのコンサートの他に、「セントラル・パークの鳥を観察する散歩会」なども開かれ、チケットの売り切れが続出しています。
私も残念なことにこのセントラル・パークの鳥を観察する興味深い散歩には参加できませんでしたが、パーク・アヴェニューのArmoryで行われている「音による演劇」(=Sound Play)にとても強い印象を受けました。
Armory(=武器庫、兵士の訓練施設)の薄暗く巨大な空間に、98のスピーカーが座席の周りを囲むように並べられ、その真ん中に置かれた蓄音機型の拡声器から流れるナレーションの電気を通した現実感のない女の声と共に、駆け抜ける足音、ドアのきしむ音、そして臨場感にあふれたオーケストラの演奏音に浮遊するような不思議な世界が頭のなかに広がっていきます。実際のオーケストラや出演者は一人も現れず、全て取り囲む98のスピーカーを通した音で、立体的に我々に届けられるのです。
タイトルは"The Murder of Crows". 夢のなかで起きた不吉な出来事、論理的には語れない不思議な体験を、音によって各自の頭のなかに自己体験するかのように強烈に再現する。改めて音のもつ限りない複雑さや自由さ、感情に対する強い影響力を感じた作品でした。
Janet CardiffとGeorge Bures Millerによる2008年の作品で、9月9日まで上演されています。ところで、7月に埼玉の芸術劇場で観たコンテンポラリー・ダンス・グループNoismの新作「Nameless Voice?水の庭、砂の家」でも同じような拡声器を通した声が全編を通して使われていて、独特の非現実性のようなものを創り出していたことを思い出しました。
私も残念なことにこのセントラル・パークの鳥を観察する興味深い散歩には参加できませんでしたが、パーク・アヴェニューのArmoryで行われている「音による演劇」(=Sound Play)にとても強い印象を受けました。
Armory(=武器庫、兵士の訓練施設)の薄暗く巨大な空間に、98のスピーカーが座席の周りを囲むように並べられ、その真ん中に置かれた蓄音機型の拡声器から流れるナレーションの電気を通した現実感のない女の声と共に、駆け抜ける足音、ドアのきしむ音、そして臨場感にあふれたオーケストラの演奏音に浮遊するような不思議な世界が頭のなかに広がっていきます。実際のオーケストラや出演者は一人も現れず、全て取り囲む98のスピーカーを通した音で、立体的に我々に届けられるのです。
タイトルは"The Murder of Crows". 夢のなかで起きた不吉な出来事、論理的には語れない不思議な体験を、音によって各自の頭のなかに自己体験するかのように強烈に再現する。改めて音のもつ限りない複雑さや自由さ、感情に対する強い影響力を感じた作品でした。
Janet CardiffとGeorge Bures Millerによる2008年の作品で、9月9日まで上演されています。ところで、7月に埼玉の芸術劇場で観たコンテンポラリー・ダンス・グループNoismの新作「Nameless Voice?水の庭、砂の家」でも同じような拡声器を通した声が全編を通して使われていて、独特の非現実性のようなものを創り出していたことを思い出しました。