2017.07.31 CDのお話し

今年もせんくらに出演できること、とても楽しみにしています。

 

ブログ担当、第1日目はこの春にリリースしたばかりの新譜"AIR&DANCE on Violin"についてお話ししたいと思います。

渡辺さんのCD「AIRDANCE-on-Violin」のシ?ャケット写真.jpg

嬉しいことに、先日発表された「第10回CDショップ大賞」2018前期クラシック推薦盤にも入っていますし、「レコード芸術」6月号でも特選盤に選ばれました。19世紀半ばから20世紀半ばまでの名曲集として、音楽史の流れも俯瞰しながら、ヴァイオリン(グァルネリ・デル・ジェス「ムンツ」1736年製)とピアノ(ホロヴィッツ愛用の1912年製ニューヨーク・スタインウェイ)の名器の音色も楽しんでいただくというユニークな内容の1枚です。

 

今回もSACD(スーパーオーディオCD)/CDのハイブリッド盤としてリリースしていただきました。私自身、今まで良くわかっていなかったのですが、SACDはより高音質で、通常のCDとは使っているシステムが違う。ハイブリッドは2層分の録音領域のうち、一層を通常のCD層、一層をSACDとして入れてあるため、普通のCDプレーヤーでも再生可能。

私が毎年集中講義を行っている秋田の国際教養大学には、私が10年ほど前に研究費で購入したSACDプレーヤーがあり、リリース後にそれで完成盤を聴いてみました。やはり、普通のCD層で聴くときよりも、音につやがあり、なめらかさと奥行きが加わって、ヴァイオリンの音色がより立体的に再現されます。

 

実は、今回の録音に関して数人の友人から、音がいつもより少し暗めでは?少し詰まった感じがあるのでは?などとの感想ももらいました。私の家にあるCDプレーヤーではそんな印象は受けませんでしたが、再生する機械によって、実は聴こえてくる音が随分変わるということを、私自身で今回ほど強く感じたことはありません。編集しているときのレコード会社スタジオのステレオ・システム、家でそれを確認するときのステレオ・システム、大学で再生した時のシステムと、それぞれで音の印象がかなり違うのです。ですから、音質を決めるときに、比較する別のCDをいつも持ち歩き、それとの相対的な音質の比較で、色々の詳細を確認していました。因みに、先の「音が暗めなのでは?」とコメントしたお一人は、その数週間後に非常に高価なステレオ・システムが備わっているスタジオで再度私のCDを聴き、「印象が違って、素晴らしく深みのある音でした」と報告してくださいました。

 

長くなってしまいましたが、もし機会がありましたら、是非SACDプレーヤーで、私の新譜をお聴きになってみていただけたらと思います。

 

渡辺玲子

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このページは、Reiko Watanabeが2017年8月 1日 14:37に書いたブログ記事です。

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